私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「!!」
窓を一気に全開に開けたため、教室に突風が吹き荒れる。
「開けすぎだ!!半分閉めろ!!」
また沢先生の声が聞こえ、慌てて窓を半分閉めた。
「あー…びっくりした」
「ねぇ…」
お互いに髪がボサボサの真奈と顔を見合わせる。
「ちょっと!!大変!!課題が吹き飛ばされてる!!!」
「「「え!!??」」」
一人の生徒の悲鳴に、全員が美術室を見渡す。
「俺の課題ー!!!」
「あ、私のあった!!」
「よかったー!!私のもあったよ!!」
それぞれが、美術室中に散らばった自分の課題を探す。
「あ!あったー!!麻由美!私のあったよ!!」
真奈が自分の課題を片手に戻ってきた。
「麻由美のは?」
「それが…見つからなくて」
私以外の人達は、自分の課題が見つかったらしい。
「マジ?えー、麻由美のだけどこ行った?」
真奈も一緒になって探してくれる。
二人で探しても、見つかる気配がない。
「まさか、麻由美のだけ外に飛んでたりして」
「えー…」
まさか、そんなことー…
夏休みの時は、自ら外に飛ばしてプールに落としたけど…
なんか、ありえそう。
恐る恐る、窓の外を見た。
「…嘘でしょ…」
想像していた通り、私の課題だけプールにぷかぷかと浮いていた。