私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「だってあのヤスって人、麻由美以外の人と喋ってるとこ見たことないよ?いつも、一人っぽいし」
確かにヤスは、一匹狼っぽいとこがある。
誰かとつるんでるとこを見たことないし、屋上にいても一人だ。
「んー…でも付き合ってるわけじゃないから。じゃ、真奈。また明日」
これ以上質問攻めされたくなくて、逃げるように教室から出た。
向かう先は、下駄箱。
ヤスが、買い物に付き合ってほしいって珍しいなぁー…
何買うんだろ?
「先生、さようなら!」
「!」
「気をつけてな」
前方から、沢先生が来る。
ドキドキ。
「…っ」
あれから一ヶ月、もう吹っ切れてるはずなのに先生と二人っきりですれ違うときは今だに緊張する。
「…さようなら」
すれ違い様に小さな声で挨拶した。
「気をつけてな」
お互い目も合わせずに言った。
パタパタと廊下を走り、ヤスの元へ向かう。