私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「…」
もうメニューを見る必要がないのに、どうしていいかわからず目線はメニューに行ってしまう。
「永井、俺に話したいことって何?」
「!」
「どうしたの?何か嫌なことでもあった?」
ヤスの優しい声に、顔を上げた。
「ん?」
顔を上げると、ヤスが優しい笑顔を向けてくれている。
胸がキュンっとする。
「えっと…」
また目を合わせていられなくなり、俯き加減に話し出す。
「美術の課題がね…」
「うん?」
「窓を開けた時に、飛ばされて…」
「う…ん?」
ヤスの相槌がさっきと違う。
「私のだけプールに落ちた」
「う……ん?」
さっきよりも間がある、"ん?"
「…で、冬休みに補講になったの」
「…」
とうとう、ヤスの相槌がなくなった。