私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
補講最終、12月29日。
美術室で一人、課題の仕上げ作業を行う。
「あと、ちょっと…」
やっと、今日が最終日。
夏休みの時は、沢先生のことが好きで好きで…補講になるようにわざと、課題を窓の外に飛ばした。
そのバチが当たったのか、冬休みも補講になるなんてー…
夏の時と同様、沢先生は隣の準備室にいる。
前と違うのは、私の気持ち。
好きで好きで好きだった時の夏とは違い、気まずさがある。
このまま会わずに終わってしまいたい。
しかし、そんなわけにもいかずー…
ピロリン!
「!」
静かな美術室に、ラインの通知音が鳴った。
やば…マナーモードにしてなかった。
慌てて制服のポケットから、携帯を出す。
「あ…ヤスからだ」
【補講が終わる頃、迎え行くね。帰り、何か食べて帰ろう?】
ヤスからのラインのメッセージを読み、【わかった!ありがとう】と、返信した。
携帯をマナーモードに設定し、ポケットに閉まった。