私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
振り返った顔を、前に向けた。
ドクン、ドクン。
心臓がうるさくて、苦しい。
早く終わらせて、この空間からいなくなりたい。
そう思うと、さっきよりも早いペースで課題を描き上げていく。
夏なら嬉しくて喜んだだろうけど、今はただ気まずいだけ。
たった、3ヶ月しか経っていない。
私の沢先生への想いはー…
「…俺、離婚するんだ」
「!!」
静かな美術室、沢先生がボソッと言った言葉でも耳に届く。
ドクン。
…今ー…
課題を描き上げていた手が止まる。
離婚するってー…