私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「永井、終わった?」
ビク!!
「!!」
美術室の扉が開き、顔を出したのはヤスだった。
「…何してんの?」
ヤスは一瞬だけ驚いた顔をしたが、すぐにいつも通りの表情に戻った。
「ヤス…!?」
沢先生の腕を離そうとするが、より一層きつく抱き締められる。
「先生っ…」
「…沢せんせー。それは、同意の元ですか?」
ヤスの冷たい声が、美術室に響く。
「…いや」
沢先生の腕が離れた。
ドクン、ドクン。
突然の出来事だったため、驚いて身体が動かない。
「…悪い」
沢先生はそう言うと、準備室に戻ろうとする。
「待ちなよ、沢せんせー」
それを、ヤスが止める。