私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
ヤスと沢先生は、美術室の端と端で睨み合っている。
「…」
美術室に緊張が走る。
「俺、前に言ったよね?""途中で逃げるぐらいなら、始めから永井の気持ち受け止めるなよ"って」
沢先生と別れたとヤスに伝えた後、美術室に二人で行った時のことだ。
「俺の言った意味わかってやったの?」
ヤスの声が重くて、冷たい。
普段は穏やかな人が怒ると、こんなに空気が変わるんだと驚く。
「…あぁ。わかってる」
「!」
しばらくの沈黙の後、沢先生が答えた。
今…わかってるってー…
準備室のドアの前に立つ、沢先生を見つめた。
じっと見つめていると、沢先生と目が合った。
「俺は、永井が好きなんだ」
ドクン!
「…」
沢先生の告白に、頭が真っ白になる。
言葉が見つからない。
身体が動かない。
「全てが片付いたら、改めて想いを伝えたいと思っている」
目を見つめられたまま、言われた。