私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「永井?」
「!」
俯いて考え込んでいた顔を上げる。
「大丈夫?」
ヤスが顔色を伺ってくる。
「あ…大丈夫」
…あれ。
「俺のことは気にしないで。まだ課題終わってないんでしょ?遅くなる前に、終わらせなね」
いつもは、顔を覗き込んできたりして距離が近いのにー…
ヤスは階段を下りていく。
「あ…」
呼び止めようと思ったが、言葉が見つからない。
ヤスは階段を下りて行ってしまう。
その後ろ姿を見つめることしかできない。
なんか、また距離を取られてしまったような気がした。
ヤス…どうしたんだろ?
「…いやいや」
その前に、課題を終わらせないとー…
ヤスのことを気にしながらも、美術室へと戻った。