私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「あ…ぶねぇな」
…あれ?
痛くない。
「大丈夫か?」
背中が温かい。
「永井」
ドキン。
倒れそうになったところを、後ろから抱き止めてくれたのは沢先生だった。
「先生ー!!良かった!!ありがと!!」
真奈の喜ぶ声が聞こえる。
「たく…気をつけろよ」
抱き止められたまま沢先生が喋るから、耳元で声が響く。
ドキン、ドキン。
「…っ」
こんなに密着してたら、心臓の音も聞こえてしまうんではないかと心配になる。
「永井、歩けるか?」
「!」
耳元で聞かれる。
「…っ。は…い」
これ以上はー…
そう思い、慌てて沢先生から離れようとするがー…
「!」
やっぱり、目が回る。
「っと、大丈夫じゃねぇな」
再び、沢先生に抱き止められる。
「保健室連れて行くから、永井の鞄持ってきて」
「わかった!!」
真奈の大きな返事と、走って行く上靴の音が聞こえる。