私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
ヤスー…?
俯いていた顔を上げると、正面を向いたままの沢先生の顔。
ゆっくりと、沢先生と同じ方向に顔を向ける。
「…ヤス」
目の前に立っていたのは、ヤスだった。
驚いた顔をしていたヤスだったが、すぐにいつも通りの表情に戻った。
「永井どうしたの?」
「え!?あ…」
ヤスと顔を合わせるのは、補講の最終日以来。
そのせいなのか、緊張で言葉が思いつかない。
「熱あるみたいだから、保健室連れて行くところ」
代わりに答えたのは、沢先生。
「そっか。大丈夫?」
ヤスは笑顔で言っているように見えるが、やっぱりどことなく距離を置かれているような気がした。
「じゃ、お大事にね」
横を通り過ぎていくヤス。
「…っ」
ヤス!!
声に出して呼びたい。
けど、私は避けられてるー…
沢先生の首に回す腕に、力がこもる。