私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
重たい瞼を開けると、最初に目に入ったのは白い天井。
「あ、目覚めた?」
「…お母さん」
首を横に向けるとお母さんの姿と、見慣れた背景。
「あんた昨日学校で熱出してから、ずっと寝たまんまだったのよ」
最後の記憶は、真奈と沢先生が学校の廊下で喋っているところ。
それ以降の記憶がない。
「迎えに行ったけど私じゃ運べなくて、結局沢先生にお願いしたのよ。治ったら、きちんとお礼言いなさいよ」
「…うん」
「何か食べる?おかゆ作ってあるけど」
「ううん、いらない…」
ピンポーン…
「はーい」
玄関からチャイムの音が聞こえ、お母さんが返事をしながら出て行った。
シンっと静まり返った部屋。
「…どうしよう…」
ぼけーっとしている思考回路を働かせようとするが、動かない。
沢先生のこと、ヤスのことー…
考えなきゃいけないのにー…