私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「あゆ、入るわよ」
お母さんの声と、コンコンっとドアをノックする音が聞こえた。
返事をするのもしんどい。
「返事ぐらいしなさいよ。ごめんなさいね」
¨ごめんなさい¨?
誰かいるの?
顔をドアの方に向けた。
「風邪、うつらないように気をつけてね。私、お茶入れてくるから」
「いえ…すぐ帰りますんで」
この声ー…
ドアがなかなか開かない。
「遠慮しないで。あゆにこんなイケメンな友達がいたなんてびっくりだわ。ふふふ」
スリッパの音で、お母さんが階段をおりて行ったのがわかる。
コンコン。
もう一度、遠慮がちにノックされた。
ドクン、ドクン。
寝ている身体を少し起こす。
「…永井、開けるよ?」
ドアがゆっくりと開いた。