私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】




「あゆ、入るわよ」


お母さんの声と、コンコンっとドアをノックする音が聞こえた。


返事をするのもしんどい。



「返事ぐらいしなさいよ。ごめんなさいね」


¨ごめんなさい¨?


誰かいるの?



顔をドアの方に向けた。



「風邪、うつらないように気をつけてね。私、お茶入れてくるから」

「いえ…すぐ帰りますんで」


この声ー…


ドアがなかなか開かない。


「遠慮しないで。あゆにこんなイケメンな友達がいたなんてびっくりだわ。ふふふ」



スリッパの音で、お母さんが階段をおりて行ったのがわかる。




コンコン。



もう一度、遠慮がちにノックされた。



ドクン、ドクン。



寝ている身体を少し起こす。



「…永井、開けるよ?」




ドアがゆっくりと開いた。





< 76 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop