私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
名前を呼んでも、ヤスは振り返らない。
ドクン。
やっぱり…
ここで言わないと、ヤスとは二度と話せなくなるかもしれない。
「…信じてくれないかもしれないけど、沢先生に告白されてからもずっと考えているのは、ヤスのことだよ」
振り返ろうとしない、ヤスの背中に向かって喋る。
私は沢先生が好きだった。
好きで、好きで、好きでしょうがなかった。
けど、いつの間にかヤスと過ごした日々の方が大きくなっていた。
「避けられていた時、どうしていいかわからなかった。もう二度と、ヤスと話すことができなくなると思ったら不安だった」
沢先生のことを考えなきゃいけないのに、頭の中を支配していたのはヤスだった。
「あの恋を過去のものにしてくれたのは、ヤスだよ。だから、沢先生とは付き合わない。…もう私を避けないで」
沢先生に告白された日。
ヤスに、"もっと喜ばないと"と言われた時点で気付けば良かった。
とまどいや驚きはあったが、喜ぶことはできなかった。
だって、私はいつの間にかー…