私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
ヤスがお見舞いに来てから3日後、やっと熱が下がり学校へ行けるようになった。
「あゆ、体調悪かったら帰ってくるのよ」
「大丈夫だよ。いってきます」
久しぶりの登校。
自宅玄関から外にでると、人影が見えた。
「おはよう。永井」
「ヤス!?」
玄関の扉を開けてすぐ目に入ったのは、制服姿のヤス。
「ど…どうしたの?」
驚いて大きな声が出てしまった。
「一緒に学校行こうかと思って」
「え…でも、約束してないよね」
それに、今日から私が学校に登校するなんて言ってない。
「ヤスくん!」
背後から、お母さんの声が聞こえた。
ヤスくん!?
呼び方に驚いて、後ろに振り返る。
「お母さん、おはようございます」
「今日もありがとうね」
今日もありがとう?
頭の中が???マークいっぱい。
「いえ。昨日頂いた料理、美味しかったです」
ヤスは爽やかな笑顔で言った。
「あら、良かったわ。またいつでも作るわ。ヤスくんのために」
お母さんの表情が、家の中では見ない表情。
アイドルをみているような顔で、ヤスを見ている。
昨日の料理?
ヤスのためにいつでも作る?
目の前で起こっているやりとりに、ついていけない。