Visual My Brother
客観的な私が私を叱った。



何楽しそうに話してるワケ?
目の前にいるの、大嫌いって
今まで思ってたじゃん。

ずっと行方不明になってて、
帰ってきたと思ったら
他人だった。

なのに仲良くするなんて
ちょっと優しすぎだ。



他人なんて冷たくしていい。
お兄ちゃんじゃないだろう、
こいつは。










「お風呂入る」




私は立ち上がりながら言った。




「まだお湯入ってないぞ」



「・・・シャワーでいい」

ネロは私の様子にぎょっと
したらしく、私を見る。



「もう少し待てって」




待てない。お湯が入るまで
2人でこの空間にいるのは
つらい。

私はネロを無視して
階段を登っていった。



< 118 / 147 >

この作品をシェア

pagetop