Visual My Brother
自分の部屋に戻り、着替えや
バスタオルをカバンから
坦々と取り出す。


その間、今までの会話が
頭の中に浮かんできた。



それが浮かぶたびに私は
自分が楽しそうに話してた
ことに恥ずかしくなったり、
腹がたったりした。





下に戻ると
ネロはいなかった。
私が何かしたみたいで
気まずかったが、
探す気は出てこなかった。

さっき掃除した風呂場に行き
雑に制服を脱ぐと、中に入り
シャワーからお湯を出した。



が。
最初はどこのシャワーも
水が出ることを忘れていた。

ジャバーッと勢いよく
刺すような冷たい水が私の
体に降ってきた。



「ギャッ!」



悲鳴を上げる。やがて水が
お湯になってくるのを感じ
ると、私はそのまま天井を
見上げた。


息苦しい生活が始まるな。


今日の一言と言って
良いだろう。

私はシャンプーを3回プッシュし
頭をガシガシと豪快に洗った。




さっきの失態、頭皮から
きれいさっぱり無くなったり
してくれないだろうか。





そんなのムリか。







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