Visual My Brother
かなりの衝撃をうけた私は、
もうなんかあらゆる私物を
おっさんの油から守ることに
どうでもよくなって、
全部運んでもらった。
全部運び終わって、おっさんが
もう運ぶもの、無い?
と聞いてきた。
ありません、というとおっさんは
満足そうに玄関から出て行った。
よかったよかった。
外に出て、家の鍵をきちんと
閉める。
一ヶ月後までさよならか。
・・・よし行ってきます。
車の後部席に乗ろうとしたら
荷物が置いてあった。
あのおっさん、考えたな。
私を助手席に乗せようという
魂胆かコラ。
仕方なくおっさんの思い通りに
私は助手席に座った。
おっさんはニンマリして
「じゃあ行こっか」
と宣言すると車を走らせる。
本当に大丈夫か。