Visual My Brother
「それともオレがよくないこと
しようかな?アハハ・・・」
いきなり男が細い腕を回してき
て私の頭をゆっくりとなでる。
頭が反射的に「逃げろ!!」と
いう命令を出して、私はカバン
をひっつかむと一目散に
逃げた。
男は「アハハハハ!!」と面白
いものでも見たかのような笑い
声をあげている。
狂ってる。
でも、追いかけてはこなかった。
追いかけてきたら・・・怖い。
泣いてた。だってホラーじゃん。
私は全力で3分間走った。
あの男の狂人さの恐怖と
駅伝をする人って大変だなぁ、
ということを考えながら息を
きらして公園の前についた。
なんと私はまだ割れた鏡を持っ
ていた。逃げる時てっきり捨て
たと思っていたのに。
もう一度、その鏡を見てみる。