Visual My Brother

「それともオレがよくないこと
しようかな?アハハ・・・」





いきなり男が細い腕を回してき
て私の頭をゆっくりとなでる。


頭が反射的に「逃げろ!!」と
いう命令を出して、私はカバン
をひっつかむと一目散に
逃げた。

男は「アハハハハ!!」と面白
いものでも見たかのような笑い
声をあげている。


狂ってる。



でも、追いかけてはこなかった。

追いかけてきたら・・・怖い。
泣いてた。だってホラーじゃん。





私は全力で3分間走った。
あの男の狂人さの恐怖と
駅伝をする人って大変だなぁ、
ということを考えながら息を
きらして公園の前についた。


なんと私はまだ割れた鏡を持っ
ていた。逃げる時てっきり捨て
たと思っていたのに。

もう一度、その鏡を見てみる。








< 8 / 147 >

この作品をシェア

pagetop