Visual My Brother
「じゃ、俺もう帰るから」
そう言ってそこから去ろうと
したネロ。
最終的にコイツは自分の妹に
気づかなかった。
このことに嫌悪感はない。
だいぶ会ってないのだし、
わからなくても当然だと
思ったからだ。
私は呼び止める。
「妹置いていくの?」
ネロは立ち止まった。
そして顔だけでこっちを向く。
「・・・やっぱお前か」
ネロは口角を上げた。
こいつ、最初から私が誰だか
分かってたんだ。