純愛小説家
担当者すべてに伝えて、締め切り分の原稿も書き上げて。

我ながら、あまりの迅速さに驚いていた。

まぁ、遅れはしないけど。
原稿はいつもギリギリで。


「向こうに戻ってからも、この調子で書き上げてもらえると助かるんですけど」


俺は、原稿を手に、苦笑いする担当に苦笑を返して。


「努力します」


空港に向かった。

ただ、


─逢いたい…


その一心で、手配した引っ越しに、書き上げた原稿。

俺の何処に、そんな部分が潜んでいたのか…。


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