純愛小説家
「でも。やなんだね、宥」
「えっ?」
「きれいなストーリーって言われるの」
「え、や…。そんなこと…」
「すっごい私情だけど。今のまま、私は書き続けて欲しい」
「ひかり?」
「作風、変えたりしないでね」


満面の笑みの後。
俺の返事を待たずに、テーブルには料理が並んで。


「お待たせ。食べよう」


三嶋がまた、笑顔を見せる。
その中には、少しだけ、照れも混じっていて。

男ってヤツは…呆れられるかもしれないけど。


─抱きしめたい


思った。

でも…。


「…いただきます」


俺はその気持ちを、抑え込む。
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