純愛小説家
「いつから?」
「えっ、あ、来週…」


ただ、三嶋と過ごす。
その為の、口実。


「なん日?」
「日にち?」
「と、日数」
「って、待って。宥、本気?」
「冗談っぽい?」
「だって…」
「もう予定、入れてた?」
「そうじゃないけど、こんな突然…」
「知ってる人の、いないとこにしよう」
「えっ…?」
「俺たちのことなんか、誰も知らないところに」
「宥…」
「本、書けるくらい。素顔、見せるよ」


これが。
きっと、最初で最後の旅行になるだろうことは、俺だけじゃない。

三嶋が、一番、分かっていただろう。

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