純愛小説家
目に見えないだけで、残っているその何かを内にしまいこみながら。
─シャー…
俺は勢いよく蛇口をひねって。
それを顔に当てた。
三嶋の涙は、流さないように…。
「…って、もう、終わったの…?」
「すぐ済ませるって言ったろ?」
「それは、そうだけど…」
「どこ行きたい?」
太陽が月を隠すように。
俺たちの真実も。
その光が隠してくれる…。
「どこ…。いっぱいありすぎるんだけど…」
「いいよ。行けるだけ行こう」
「行けるだけ?」
「可能な限り。全部」
だから。
俺と過ごしたこの時間が。
俺のように、せつない時間として、三嶋の記憶には残したくなかった。
「ほんとに?」
「ほんと」
楽しかった…とはならないかもしれない。
ひとりの夜。
思い出して、また涙を流すかもしれない。
それでも…。
出来るだけ、いい思い出として…。
そして俺も。
それを思い出に…と。
─シャー…
俺は勢いよく蛇口をひねって。
それを顔に当てた。
三嶋の涙は、流さないように…。
「…って、もう、終わったの…?」
「すぐ済ませるって言ったろ?」
「それは、そうだけど…」
「どこ行きたい?」
太陽が月を隠すように。
俺たちの真実も。
その光が隠してくれる…。
「どこ…。いっぱいありすぎるんだけど…」
「いいよ。行けるだけ行こう」
「行けるだけ?」
「可能な限り。全部」
だから。
俺と過ごしたこの時間が。
俺のように、せつない時間として、三嶋の記憶には残したくなかった。
「ほんとに?」
「ほんと」
楽しかった…とはならないかもしれない。
ひとりの夜。
思い出して、また涙を流すかもしれない。
それでも…。
出来るだけ、いい思い出として…。
そして俺も。
それを思い出に…と。