純愛小説家
その中に、ショッピングの文字は見当たらなくて。

海外=ショッピング。

じゃないのか…?

思って訊いてみると。


「買い物はいつでも出来るから。ここでしか出来ないこと、見られないものを見たいから」


そんな答えが返ってきて。


「…そっか」
「あっ。時間なくなっちゃう!行こう!」
「あぁ…」


定番の。
恋人岬も、


─ないんだな…。


思いながら。

約束通り、三嶋の行きたい所へ行った。

いつも雑誌を見て、


『これいいなぁ~。かわいい!欲しい~』


カバンや服を欲しがっていた三嶋。

確かに買い物は日本でも出来る。
それも嘘じゃないんだろうけど。

俺からのプレゼントは、


─受け取れない


そういう意味が含まれていると。

俺は、気づいていた。

< 126 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop