純愛小説家
でも…。

モニターの前。


「─────」


帽子を取り、サングラスを外したその顔を見て。

俺は言葉を失った。


『私よ、ヒロ』


その、映し出された相手は。


「…こと、ね…?」


そう。
白石 琴音(シラシイ コトネ)。


『みつかる前に、早く開けて』
「──────」


俺が一度、結婚を考えた。

まさに、彼女、だった。








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