純愛小説家
「…何しに来たって顔ね」


その、不満げな琴音の顔を見て。


“あっ……”


前にも一度、こんなふうに会いに来たことを思い出して。


「!」


俺はとっさに、テレビをつける。


「あっ…!」


それに気づいて。


「リモコン貸して!」


あわててテレビを消そうとする琴音。

時計を見ると、9時過ぎ。
まだニュース番組の時間じゃなくて。


「!」


俺はリモコンをソファーに投げると。
ケータイを手に取った。


「ん?あ、ケータイ!」


リモコンを取りに、ソファーに行った琴音をかわして。

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