純愛小説家
10.逃避
「…おはよ」
「おはよ」


朝…というより、もう昼に近い時間。


「シャワーの準備できてるぞ」


気まずそうに起きてきた琴音に、俺は促す。


「え…、ありがとう。じゃあ、浴びてくる」
「その後は朝食…昼食も出来てるから」
「ありがとう。じゃあ、いただくね。“朝食”」


久々の、琴音とのやり取り。


「はいはい。お姫様」


琴音はいったん寝室に戻って、あっかんべーをすると。

バスルームへと消えていった。

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