純愛小説家
子供じみてるけど。

もしそれが、運命の相手なら。
その相手だけ。
“この人”なんだと。


─わかればいいのに…


本気で思った。

ただの一時的な感情なのか。
この先もずっと。
特別な相手なのか…。

その、たったひとりがわかる。
そんな男の話を、


「書いてみようかな…」


なんて。

あまりに情けない発想に、ネタにしようか…、考える。

他人の相手ならわかるのに。
自分の相手だけがわからない男の話。

俺の“売り”である。
純愛もの…とは、ちょっと違うものになりそうだけど…。

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