純愛小説家
少しずつ、カラダが熱を帯びていくのを感じているのに。

あまりにベタな再会。


“俺の小説では有り得ないな…”


なんて。
逆に、やけに冷静な俺がいて。


「河合クン、だよね?」


いや…。


「ん…」


むしろ、平常心を失っていたのかもしれない。


「三嶋。いま、時間ある?」
「えっ?」
「あるなら。ここ出て、ちょっと話さないか?」
「河合、クン?」
「飲みに…。いや。ゴハンか…」


全く。
物書きとは思えない。


「なんか。食べに行こう」


あまりに唐突で、まさにベタな誘い方。


「え、今?あ…、でも…」


突然の再会に、何の前置きもない、唐突な誘い。


「とりあえず、私、本…」


三嶋は、かなり戸惑っていて。

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