純愛小説家
いつも通り。
変わらない顔、だったろうか…。


「これでもね。けっこう我慢してたんだよ。宥のとこに来るの…」
「忙しいんだと思ってた」
「それもあるけど…。で、訪ねたらいなくなってるし。しかも、連絡もなしに」
「あぁ…、ごめん…。1年くらい?会ってなかったし。ケータイも変わってると思って」
「変えたら。宥には必ず、連絡してるし…」


多分。
まだ、琴音がいた時は。
俺の気も少しは紛れて、大丈夫だったように思う。

「そっか…。ごめん…」
「だから私も意地になって。宥に連絡しないで、捜してやるって。びっくりしたでしょ?…悪いこともしちゃったけど…」

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