純愛小説家
いつもは自信満々な琴音が。
今回は俺同様。
“特別な相手”だったんだろう。


「もともと、カノジョいたんだけど…。なんかいっつも、ノロケとか聞かされてて。相談とか…」
「相談?のってたのか、琴音が…」


相談にのる琴音…。
何だか想像がつかなくて。


「のってたよ。別れさせようと思って。そっちの方向に」
「…あぁ…」


それを聞いて。
少し納得する。


「けど。なんか、逆にいつもそれでうまくいっちゃって。私のおかげだって、いつも笑ってくれてて…」


身近な相手なんだろう。
共演者。
…スタッフ?


「琴音。大丈夫か…?」
「…ん。平気…」


平気じゃないのにそう答える琴音が、自分と重なる。

< 194 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop