純愛小説家
2.冷静という名の衝動
つくづく。
俺らしくない。
有り得ない行動だった。

口調はいつもと変わらなかったと思う。
おそらく、表情も。

ただ淡々と…。

連れ出した…と言っても、強引に腕を掴んだ訳じゃない。

でも。

三嶋の返事も聞かず、書店を出てきた俺は。
やはり、強引だったと言えるだろう。

そんな俺を。
三嶋は、追いかけるしかない。


『全然かわってなくてさ。多分、お前もすぐわかんじゃねー?』


きっと、藍田に三嶋のことを聞かされてから。
俺はずっと、尋常じゃなかったんだろう。

冷静さなんて、欠片もなかったんだと思う。

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