純愛小説家
三嶋がいなければ。
俺は他の誰かがいたとしても、琴音を抱いていただろう。

そんなヤツはもう忘れろと。

本気で、やり直していたかもしれない。

今度こそ。
本気で愛せるんじゃないか…と。

そんなふうに思えるのは。
三嶋との時間があったから、かもしれないけど…。

ただ。


「…ありがと。もう平気」


きっと琴音とは、ずっとこの関係が続いていくんだろう。


「コーヒー淹れる」
「あっ。私やる」
「じゃあ、頼むかな」
「ん」


また。
何かあれば、訪ねてきて。
慰めて。


「はい」
「サンキュ」


ふたり、うまいコーヒーを、飲みながら…。

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