純愛小説家
不意に。
三嶋と過ごしてなかった頃の俺は。
どんなふうに、


─生活してた…?


頭を過った。

多分、今まで。
こんなふうにちゃんと、誰かとつき合ったことがなかったせいだろう。

琴音とは、同棲もしてたけど。
三嶋の時とは違っていたし。
つき合ってた期間は長かったけど。
こんなに日々、長い時間を一緒に過ごすことは、殆んどなかった。

ほんの数ヶ月で、俺の一部になってしまった三嶋。

俺の中から消し去るには。
いったいどれだけの月日が、


─かかるんだろう…?


パソコンのキーを打つ手を止めて。


「─────」


俺は頭をうなだれた。

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