純愛小説家
三嶋と話したケータイを置いて。
眠るにはまだ、少し早い時間。

俺はパソコンじゃなく、原稿用紙を取り出す。

もう、何年物の原稿用紙なんだろう。

若干、


「黄ばんでるし…」


俺は苦笑する。

誰の目にも、触れることはないかもしれない。

苦笑しながらも。
俺はその原稿用紙に、文字を書き連ねる。

多分。
今の俺の心情、そのままを綴った、独り言のような話。

いつか。



三嶋に贈れたら…。



そんなことを思いながら。

俺はその、決して長くはない。
短いストーリーを書き上げた。

決して叶うことのない。
想いのすべてを込めて………。






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