純愛小説家
あんな、偶然の再会。
そして、海外に長期出張中の婚約者。

聞いて、チャンスだとすら、思ったかもしれない。

いま三嶋は、ひとりだ…って。


「俺はずっと。ひかりを苦しめてたよな…」
「そんなこと、ない…!」
「あるよ。知ってて手を出した。ふたりになりたくて、海外にまで連れ出して…」


あの日、三嶋に逢った時。
そんな想いがよぎったわけでは、もちろんないけど。


「最低だよ…」


きっと。
俺の中にあったもの。


「苦しめて、ごめん…」
「ちが…。何度も謝らない…で…」

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