純愛小説家
─三嶋に、罪悪感が残らないように…


それが大前提ではあったけど。
三嶋に言ってる言葉の一つ一つに嘘はなくて。

泣きじゃくる三嶋を、抱きしめたい衝動に駆られながらも。


“─────”


何とかその衝動を抑える。

元々、衝動的に動くタイプじゃない。
それくらい、


─簡単だろ?


言い聞かせながら…。

いま三嶋に触れれば、全てが振り出しに戻ってしまうと、分かっていたから。

もう、ほんとに。
三嶋を、


─離せなくなる…


もう、高校の頃の想いなんて比じゃない。

いま、俺の中にある想いは。
ある意味、持て余してしまう程。
大きくなっていたから──。



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