純愛小説家
最後の最後に…、最後、まで。
俺は三嶋を泣かせることしか出来ず…。


「ひかり。…ごめん。ほんとに、ごめん…」
「だ、から、もう、謝らな…い……」


泣いてるせいで、うまく話せない三嶋を見て。
どれだけ苦しめていたのかを思い知って。


「──────」


呼吸できなくなる程、胸が締め付けられる。

自分の気持ちだけを優先して、それを押し付けてきた結果…。

ただ、最初の夜。
あの一夜だけにとどめておけば、まだ三嶋の傷は浅くて済んだのかもしれないのに…。


「謝る以外、俺に出来ることなんてないよ…」
「っ…ひ、ろ…」


結局。


「ごめん。ごめん……」
「──────」


こうして、後悔するはめになる────。



それなら…。



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