純愛小説家
あの後。
藍田にだけは連絡して、東京に戻ることを知らせて。

地元に戻ってきたのも突然だったし。
驚いてる様子はなかった。

ただ…。

俺はその後、しばらく小説が書けなくなって。

藍田にまで、嘘はつきたくなかったけど。

体調不良を理由に、連載ものはすべて休載にしてもらった。

藍田に関わらず、他の担当さんも。
確かにオーバーワークだったと、快く休みをくれて。

自分的には、そんなに無理をしていたつもりはなかったけど。

今までの自分を、肯定されたような気がして。
ちゃんと。


─認めてくれてたんだな…


何だかホッとした。

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