純愛小説家
俺は今までそんな当たり前のことに。


「ようやく、気づけたのかもしれないな…」
「ん?」
「あ、いや…」


思わず口に出してしまって。


─フッ…


酒が入ってるせいなのか。
なんだかおかしくなった。


「…何だよ」
「や…」
「独り言かと思えば、一人でニヤニヤって…。キモチわりぃなぁ」


そんな俺を、怪訝そうな顔で見る藍田。


「だよな。俺も思う」
「はっ?」
「キモチ悪い」
「って、もう酔ってる?キャラ変わってるし」


そして。


「あっ…」


その俺の様子を見て、何かを思いついたらしい。


「そっか」


藍田が俺を見て。
ニヤリとした。

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