純愛小説家
三嶋とは、二年間、同じクラスだったけど。

俺はともかく、三嶋が俺のことを、こんなに細かく覚えていたなんて思ってもみなくて。

もしかしてあの頃、


─三嶋も…?


なんて。

高校を卒業してから、8年振りの再会で。
どんだけ、


“プラス思考なんだよ”


自分であきれてしまう。


“自惚れすぎだろ…”


苦笑も。

東京にいる間。
どう調べて近づいてくるのか…。
正直、女には不自由してなかったせいだろう。

感覚が、マヒしてるらしい。

“河合 宥(オレ)”に近づきたい訳じゃない。

目的は、

“矢野 伊月”だと分かってはいたけど。

いわゆる、はけ口。

俺も逆に利用していた。

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