純愛小説家
「俺の幸せは。今もちゃんと、ここにあるよ」


俺はそこで足を止めて。


「ちゃんと。ここにある」


三嶋に微笑む。


「宥…?」


3年前は、ただの悪足掻きだった。
もしかしたら、今も然程。
変わらないのかもしれないけど…。
それでも。
この3年は、きっと俺には必要な時間だったんだろう。


「ほんとは。きっぱり断ち切って、忘れるつもりだった。諦めなきゃいけない、思ってた。でも。わかったんだ。3年もかかったけど。やっと、わかった。気づいた」


俺は、ポケットから“小さな箱”を取り出すと。


「俺の幸せは。ひかりだよ」
「!」


その箱を開けて、そっとひかりに差し出した。

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