純愛小説家
でも…。
俺の気持ちも揺らぐことはなく。

あれから1年。

あの箱の中は、空っぽになって。
ようやく。


「パーパ。だっこー」
「樹~。パパにばっかり甘えないの~」


ひかりの指で光っている。


「いいよ、ひかり。おいで、樹」


まだ姓は、三嶋のままだけど。


「やったー!」
「もうー。甘やかしすぎ、宥…」


来月。
樹の3歳の誕生日。

【河合 ひかり】に、なる。


「抱き癖はつけていいって。藍田が言ってたぞ」
「あぁ!藍田クンも二人目、産まれたんだもんね」
「女の子だって。来週あたり、顔見に行こう」
「うん」

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