純愛小説家
†† present ††
───

結婚式当日。


「では。お時間までお待ち下さい」


この先。
一生着ることはないだろう、思ってたウェディングドレス。

ほんとに。


「結婚、するんだ…」


実感する。

4年前。
婚約していたのに。
高校の時、ずっと好きだった宥と偶然再会して。


彼を、裏切ってしまった…。


もう、昔の恋。
終わったはずの恋、思っていたのに。

私はまた、宥に恋をした。


一夜限り。
あの朝、あのまま帰っていれば…。


何度も思ったけど。
帰ることが出来なかった。

このまま帰れば、もう二度と。


─逢えなくなる…


思うと。

ダメだとわかっていながら。

帰れなかった…。

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