純愛小説家
「…なんだろ」


手を伸ばせば届く場所。
開けてみると、中には。


「…原稿、用紙…?」


が入っていて。


「………っ!」


一体いつ、書いたんだろう?
ちょっと黄ばんだ原稿用紙。

そこには、宥の書いた文字が並んでいて。


「………もう…。宥……」


……小説。


ほんと。
どこまでカッコいいんだろう。

結婚式、直前。

っていうか。
私も、


「どんだけ、好きなんだろ…」


苦笑しつつも。

その、私だけに書かれた贈り物を。
涙でメイクが崩れないよう、気をつけながら。

目を通した。

───

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