純愛小説家
─自惚れじゃ、ない?


俺が触れたせいじゃないかもしれない。

実は俺もかなり酔いがまわっていて、正確な判断を下せるような状況じゃなかったように思う。

でも…。


「…三嶋」


伝えるなら。


─今だ


思った。

今しか、ない、と。

あの頃の想いがフィードバックしてるだけなのか。
それとも、いまここにある、進行形のものなのか…。


─とくん…


ただ、俺の鼓動は大きく音をたてていて。
今を逃せば。
次、いつ逢えるのかもわからない。

支えていたその手で、


「!」


三嶋の体を俺に向けて。


「河合、クン…?」


突然の行動に、動揺している三嶋の目をまっすぐみつめると。


「三嶋…」


俺はその言葉を、口にした。


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