純愛小説家
隣には、まだ人肌ほどのぬくもり。


「っ三嶋!!」


─バンッ!


俺は力任せに寝室のドアを開け、三嶋を探す。

瞬間。


「…三嶋…」


そのドアの音と、俺の声に驚いたんだろう。
ビクッと肩を揺らす、彼女の後ろ姿を視界に捕らえて。


「居た。良かった…」


俺はホッと胸を撫で下ろす。


「…帰ろうと、してた…?」


そんな三嶋の背中に近づいて、そっと声をかける。

昨日のことは、


─やっぱり、夢…?


思うほど。
触れるか触れないかの、微妙な距離間を保って…。


「……………」


三嶋は、着替えを済ませ。
カバンを胸に、ギュッと抱きしめていた。

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