純愛小説家
離したくない。
このまま、終わらせたくない───。

俺の中で。
彼女を、


─自分のものにしたい


“欲望”が。

叫び声をあげていた。


「ごめん、なさい…。私は、ずるい…」
「そんなことない。俺も。また逢いたい。昨日も言ったけど。三嶋に逢いたくて、戻ってきたんだ…」
「河合、クン…?」


一度、決壊すると。
それはもう、止めどなく、溢れ始めて。


「昨日言ったことは、嘘じゃない。ほんとだ
よ。あの頃だけじゃない。今も俺は、三嶋が、好きなんだ…」
「─────」


俺はいつから、こんなに饒舌になったんだろう?

そう最初から。

一夜限りなんて、あり得なかった──。



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