純愛小説家
思えば。
小説を書く時、いつも自然と三嶋を思い浮かべていた。

純愛小説。

数年、そう呼ばれる作品を書き続けてきたにも関わらず。
俺は全く、そんなつもりはなかったし、分からなかったけど。

三嶋へ、抱いていた気持ち…。

それこそが、まさにそれ、


─なのかもしれない…


ふと気づく。

いい歳して、今さら純愛、でもないけど…。

でも。
俺の小説が、あくまで純愛小説と認識されているんなら。

きっとそうなんだろう。
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