純愛小説家
そのまま。

陽が昇りきっても、俺たちは特に何を話すでもなく。

二人、ただそうしていた。

腕に力を込めた時。
三嶋は、肩を一瞬、ピクッとさせたけど。

何もなかったように、俺にからだを預けた。

土曜の朝のせいか。
静かな時間で。


「…三嶋…?」
「…なに?」


時々声をかけないと。
眠ってるんじゃないか、思うくらいの静けさ。


「や…。なんでもない…」
「そう?」
「…ん」


俺はまだ、迷い続けていた。
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